補聴器-21
こんにちは。アイポイントです。
今回は補聴器の音の違和感についてお話してみ
たいと思います。
前回は音の選別でした。「必要ない音」をどの
ように気にしないよう練習するかという内容で
したね。
でもそれでも補聴器の音は健康なときの聞こえ
と比較してしまうと、違和感があることはいな
めません。(性能が随分向上したことによって
かなり改善しましたが)
そのことを私なりに考えました結果、もしかし
たら、このようなこともあるかも知れないとの
想いが見つかりました。
ですので今回は学術的に何の裏付けもない、た
だの思いつきです。
ですが、なかなか音に慣れないで悩んでおられ
る方には、そういう考えもあるかもね、とヒン
トにして頂き、慣れるための練習の糧になれば
との思いから書かせていただきます。
健康な時、音を聞いている作業は、美味しい食
べ物を「美味しい」と感じている状態かも知れ
ません。
写真のようなお料理は、お肉の香りがして野菜
の香りがして、見た目も食欲をそそる色ですよ
ね。食べてみると確かに美味しいお料理だった
りします。
聴力が落ちてしまうと、音に味があるとするな
らば、非常に味がしない、または味がイメージ
と違う、食感が違う、などの気持ちとの相違が
あるような気がします。
それは音には「距離」という味付けがあるから
なのかもしれません。
山を歩くと鳥が遠くで鳴いている、さらさらと
水の音が聞こえるので近くに川が流れているの
かもしれない。あっ、鞄の中で携帯が鳴ってい
る。(近い) などなど。
人はその音を感じるとき、距離感を同時に感じ
ていると思います。
補聴器ではどうしてもレシーバーから音が出て
いますので、技術面で音の距離感までは十分に
再現できていないことが考えられます。
遠くで汽笛が聞こえる。これを補聴器で再現し
ても、汽笛の音が小さく聞こえる、遠くの音な
のかなぁ、とイメージする作業になります。
この場合、赤ちゃんの寝息を耳元で聞いていて
も小さい音ですし(近い)遠くの汽笛の音(遠
い)も小さい音です。
健康な耳は距離感を同時に感じますが、補聴器
では視覚情報からの補助も含めて認識しなけれ
ばなりません。
この練習が必要なのかもしれませんね。イメー
ジと補聴器の音をリンクさせる作業が必要なの
かもしれません。
現在の技術では、お料理でいいますとかなりよ
くできたインスタント食品のようなレベルまで
来ているような印象があります。もちろん音の
再現性は補聴器の性能レベルにも比例してしま
いますので、ある程度、高度に音を処理する補
聴器がよいことは言うまでもありません。
その分、金額は上がりますが、そのあたりの性
能が価格的な差なのかもしれません。
あとは装用者様の努力次第で、補聴器はとても
便利な生活の相棒になるのではないでしょうか。
楽しいことが待っています。
頑張ってください。