補聴器-19
こんにちは。アイポイントです。
前回の続きです。男の子は何故、お母さんの声に
気がつかなかったのでしょう。
それは「夢中になっていた」からです。
人は夢中になると周りの音を低下させる技術を
もっています。大人になってもそうですよね。
でも難聴になると、全体の音、またはある音域
の音が聞こえにくくなることによって、必要な
音と邪魔な音の選り分けが難しくなっています。
会議で議事録を作るためにボイスレコーダーを
テーブルの真中に置き、会議が終わってからレ
コーダーを再生すると、人の声のほかに紙をめ
くる音や、ペンを置く音、咳払いなどが沢山入
っていて、肝心の内容の邪魔をしている場合が
あります。
会議中は気にならなかったそれらの音は、会議
室で存在しなかった音かといいますと、そうで
はありません。
必要なかった音なので、だれも気にとめていな
かった音です。
もう少しお話しますと、耳には入っていて鼓膜
を振動させていたと思われますが、脳には伝わ
っていなかった音ともいえるかもしれませんね。
人は必要な音を沢山の音の中から探し出すため
に選別を行っています。
難聴になってしまわれた方は、一度全体のボリュ
ームが落ちていてそれらを補聴器で増幅したとき
選別がうまくいかず雑音(いらない音)ばかりが
気になってしまうケースが多いようです。
ですから補聴器は脳の中で「必要な音」と「必要
ない音」を選別する機能を鍛えてあげなければな
りません。
子供に自転車を買ってあげても、練習しないと乗
れるようにはなりませんよね。
でも自転車に乗れるようになると、歩いていた時
には経験できなかった爽快な気分や、遠くまで
友達と出かけられます。
補聴器も使いこなすことができたら、素晴らしい
世界が広がっていると思います。
是非、チャレンジしていただきたいと思っており
ます。